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初雪

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きのう、雪が降りました。
とうとうと言うべきか、やっとと言うべきか。
雪の降る冬は、心が内に向かいます。
どんな風に向かうかは、おのれ次第。

合宿で茨木のり子の詩をおしえてくれた仲間から、今日手紙が届いていました。
あの詩のコピーを添えて。
全文、引用しちゃいましょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  汲む   ーY・Yにー  茨木のり子

 大人になるというのは
 すれっからしになることだと
 思い込んでいた少女の頃
 立居振舞の美しい
 発音の正確な
 素敵な女の人と会いました

 その人は私の背のびを見すかしたように
 なにげない話に言いました

 初々しさが大切なの
 人に対しても世の中に対しても
 人を人とも思わなくなったとき
 堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
 隠そうとしても隠せなくなった人を何人も見ました

 私はどきんとし
 そして深く悟りました
 大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
 ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
 失語症 なめらかでないしぐさ
 子供の悪態にさえ傷ついてしまう
 頼りない生牡蠣のような感受性
 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
 年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
 外にむかってひらかれるのこそ難しい
 あらゆる仕事
 すべてのいい仕事の核には
 震える弱いアンテナが隠されている きっと…
 わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
 たちかえり
 今もときどきその意味を
 ひっそり汲むことがあるのです
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
         引用終わり
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プロフィール

柚木りん

Author:柚木りん
北国の林の中で、数十年暮らしてきました。
髪も白くなった今、これから向かう道すじを模索しているところ。
エッセイと写真で暮らしを綴ります。

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